挨拶

会長就任の挨拶

 

 国立戦術学園コンティース支部デルタ校の皆様、初めまして。私が新たに学園教育総会会長に就任したN=C=ニーデルディアです。

 帝国最高峰の教育機関の長としての抱負と致しましては、一言で言えば生徒の質の向上、つまりは優秀な生徒を一人でも多く世に送り出すことです。

 歴史の話になりますが、今から160年程前、正確には161年と7ヶ月前。人類と魔族による地上全土を巻き込む大戦が勃発し、戦いは20年以上も続きました。
 人類は奇跡的に勝利し、多くの魔族は追われるかのように魔界へ帰り、この世界と魔界を繋ぐ道も半永久的に封印されました。ここまでは皆さん、歴史の授業で習っているので当然分かりますよね? 知らないなどとは言わせません。

 ですが、魔族たちが使役していた数千数万種にも上るモンスター達は未だにこの地に蔓延っています。いわゆる嫌がらせともいえる置き土産と言うものでしょう。
 大戦に勝利しても、危機的状況は相変わらずです。人類はまだまだ戦わなければいけません。

 ここは戦い方を、ひいては生き残るための術を学ぶ学園です。当然立派な大人になるための教育の場でもありますが、ここ数年の傾向を見ていますと正直な話、そのことを意識している学生が減少しているように思えてきます。

 先日、帝都にある2校と、港町のガンマ校を視察してきましたが、それはもう、ひどいものでした。
こちらが想定しているものよりも授業内容が遅れている、常識的な知識問題に即答できない、戦士科の割に体力がない、魔術科の生徒も技量不足が目立ちます。
 そうでなくても遅刻者が多い、掃除が行き届いていない、言葉遣いが悪いなど、勉強以前のことすらできていない者が多すぎます。こういった者達は、教師・生徒を問わず様々な罰則と処分を与えておきましたが。

 国立戦術学園は、全8年を通して生きる力を得るために様々なことを学ぶ場所です。
 あなた方生徒はそのために学校へ通うのです。だらだらと過ごして卒業証書を得るために行くのではありません。極端に言えば、まじめに勉強する気がないのであれば行かない方がマシです。それでのたれ死にしようが、知ったことではありません。

 さて、愚痴っぽくなってきましたのでこの辺にしておきましょうかね。
 これだけ事前に言っておけば来週のデルタ校視察の際、少しはマシな対応ができていることを期待しても大丈夫でしょう。くれぐれも我々学園教育総会を落胆させぬように。以上。

 

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